「もののけ姫」の舞台設定について

ジブリ映画には様々な世界観のファンタジーな作品がありますが中でも色彩鮮やかに描かれた太古の国の物語「もののけ姫」は歴史好きなコアファンにも好かれている作品です。物語の舞台モデルとなっているのは鹿児島県の「屋久島」ですが、舞台設定としては更に深い設定があります。物語に出てくる「エミシの村」は大和朝廷の支配下に置かれるのに抵抗し逃げた民たちです。つまりひっそりと山奥に暮らす「残党」たちを意味しています。そこで占いで運命を決める「ヒイ様」は村の主です。アシタカが旅たつ時に髪を切り置いていく儀式はその村から抜ける意味を表しています。物語で重要な扱いとして出てくる「たたら場」に住む人は「戦争で売られた女たち」と「ハンセン病患者」という設定なのですが、売られた女たちには逞しく生きるよう「強い女」としての姿を見せる一方で、「ハンセン病患者」の患者たちは村の隔離場所に置き、こっそり鉄を使い武器を作らせているという残虐な面を持っています。武器を作り、侍に売り、実はその武器がたたら場に住む人たちを怯えさせたたら場に流れてきたという人の矛盾を表現しています。また武器の石火矢は応仁の乱時代から日本で使われてきた古い武器でそれを改良したものをエボシが作っています。またこの作品の舞台を描くにあたり、白神山地や津軽峠などを元に「エミシの村」をデザインしていったと言われています。このようにもののけ姫は古くから日本に残る歴史物を混合して作られています。

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